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2023年9月の気になるVR・テックニュース

月に1度、スペースリーからお届けする「気になるVR・テックニュース」コーナー。
VRやテック分野に関連するニュースを取り上げています。
今月のテーマは「各国でのVRの活用方法の違いについて」です。アメリカ、日本、中国のそれぞれの国でVRがどんな使われ方をしているのか、3つのニュースをピックアップしてみました。

アメリカの研修VRで一番効果を発揮した「銃乱射対策」

まずご紹介するのは、アメリカのVR活用事例。
スタンフォード大学バーチャル・ヒューマン・インタラクション・ラボ(VHIL)の創設者であり、初代所長のJeremy Bailenson氏のインタビューです。

私たちはVRを正しく使っているか?–犯罪や差別の問題に取り組む専門家に聞く

Bailenson氏は、VRが有効活用されるシーンを「危険」「不可能」「逆効果」「高価」の4つだと話しています。
「危険」は安全研修など、普段の生活の中で体験することが少ない危険なシーン。
「不可能」は、災害研修など人為的に起こすことが不可能なシーン。
「逆効果」は間違った行動やトラブルを何度も経験できること。
「高価」は、暴動や事故など、再現するのにとてもコストがかかるようなシーン。
ざっくりいうと、上記のように定義されます。

彼が手がけた研修VRの中に、米国のスーパーマーケットチェーン・ウォルマートの「銃乱射事件が起こった際の従業員対応」を学ぶVRがありました。

今はヘッドセットを装着するだけで、銃を携えた人間と遭遇するという、人生でもそうない恐怖体験ができます。ある男が銃を持って店に入ってきて乱射を始めます。研修の長さは20~30分です。さまざまなタイミングで体験を止め、自分ならどう行動するか考えてもらい、その選択についてフィードバックを提供します。
引用元:https://japan.cnet.com/article/35208446/

こうした体験が研修VRで必要だというのは、とてもアメリカの風土を感じますよね。
この場合は4つの効果的なシーンの「危険」に分類されると思います。
確かにそうした対策をVRで学ぶことで、より効果的に事件に対応できるようになるのであれば、VR導入に是非もないですよね。
アメリカならではの活用シーンといったところでしょうか。

“災害大国”日本の研修VRはやはり天災対策

アメリカでは銃乱射対策、では日本の研修VRは何に使われるのでしょうか?
スペースリーのクライアント様でも検討いただくことが多いのは、やはり「避難訓練」コンテンツや、災害対策VRとして活用いただく方法ですね。
以下のニュースなどは、医療現場で災害時の緊急対応を学ぶVRが活用されているというニュースです。

地震、大事故、原発災害…緊急対応を学ぶVR、医療現場で活用広がる

福知山線脱線事故や、熊本地震などの大災害時には医療現場でも混乱が起きやすいことから、大災害が起きた際のトリアージの方法をVRで学ぶという活用が広がっているということです。
首都直下型地震や津波など、日本にはまだまだ天災が起きる可能性もありますよね。
そんな時の緊急対応をVRで学んでおこうというのは、日本ならではの活用法だという風に感じますね。

中国は「ロボティクス×VR」で統合リハビリ

最後は中国でのVR活用法です。
中国のスタートアップ傅利葉智能(Fourier Intelligence)が、VRやロボット、バイオメカニクスなどが統合された独自開発のリハビリシステム「MetaMotus Galileo」を開発したというニュースです。

中国スタートアップのリハビリロボ、VRで日常再現

Galileoシステムは主に神経や筋骨格系の損傷、退行性病変などに起因する運動機能や認知機能、日常生活の動作、心理的機能の障害を対象に評価とトレーニングを提供するほか、アスリートや軍人の能力向上トレーニングにも活用できる。
引用元:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC24AQK0U3A720C2000000/

ということですが、精神や身体のリハビリにVRやロボットを活用する方法は、世界中でも注目されていますよね。

中国ではロボット産業も盛んですし、高齢化なども進んでいく中、リハビリ産業も活性化していく可能性があります。
これも中国ならではのVRの進化と言えるかもしれません。

今後、世界中でどんなVR活用が行われているのか、スペースリーもトレンドに常に注目していきたいと思います!

以上、スペースリーがピックアップした「2023年9月の気になるVR・テックニュース」でした。 気になる内容や質問などがあった方は、公式HPよりぜひお問い合わせくださいね!

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