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【VR不動産事例】空き家物件への問い合わせ・成約数が昨年比約2倍に|広島県江田島市


海に囲まれた風光明媚な島・広島県 江田島市。


協働と交流で創りだす「恵み多き島」をモットーに掲げ、人口減少対策として移住や定住推進対策を進めているのが江田島市役所です。空き家バンクやポータルサイトにVRを活用した空き家内見を掲載し、先進的な江田島市への移住・定住施策を推進しています。


今回は、江田島市企画振興課所属の畑河内さま、千葉さま、そして窓口を担当されている一般社団法人フウドの為政さまにお話を伺いました!



目的 集客力アップ・顧客分析
用途 ポータルサイトへの掲載
業種 地方自治体


団体名 広島県江田島市
所在地 広島県江田島市大柿町大原505番地(江田島市役所)
URL https://www.city.etajima.hiroshima.jp/cms/



空き家ポータルにVRを導入 問い合わせ数が昨年比で約2倍に


– 今回、全国的に非常に関心度が高い「空き家対策」で、弊社のVRを活用いただいて結果が出ているということで、ぜひともお話を聞かせていただけないかと思い、インタビューをお願いいたしました。まずは今回お話を伺う皆様の業務について教えてください。


江田島市役所 畑河内さま:
我々市役所職員の業務は、業務計画作成や統計や広報など多岐にわたります。その市役所業務の一環として、移住促進や空き家対策をおこなっています。


江田島市役所 千葉さま:
私は移住、定住の担当を2年やらせていただいており、主に空き家バンクからの申請受付、実際の調査、撮影などの実務を担当しています。


フウド 為政さま:
一般社団法人フウドの為政と申します。問い合わせのあったお客様への移住対応、内覧対応など、実際の窓口担当をしております。フウドは江田島市のコミュニティスペースの運営や、移住者コミュニティイベントの主催なども行っています。


左から、江田島市役所 千葉さま、フウド 為政さま、江田島市役所 畑河内さま

– 江田島市が抱える課題についてお伺いできればと思います。人口減少が課題だと言われていますが、いつ頃から対策をしようと考えられたのでしょうか?


江田島市役所 畑河内さま:
人口減少自体はずっと続いていて、最近顕著になったというよりは、ここ10年くらいは年間500人ほどのペースでずっと減って来ています。 江田島市は平成17年に4つの町が合併して出来たのですが、その当時から「人口減少をなんとかしなければ」という話はすでにあったんです。なので、人口減少対策については結構早めの段階から専門の職員を置いて取り組んできていました。江田島市の空き家事業も平成19年立ち上げと、かなり早期なんですよ。


– 年間の移住相談件数の推移はいかがでしょうか?


江田島市役所 畑河内さま:
移住相談は基本的に電話と、直接の来訪によりお受けすることが多いです。2020年2月に移住ポータルサイト「hodohodo」を開設して以降、2020年は相談件数が急激に伸びて260件くらいになりました。今年度に入ってからは、8月時点で相談件数は100件を超えています。

令和2年度は月に6〜7件ペースだったんですが、令和3年度になって月に13件ペースくらいに増えました。昨年度の約2倍のペースになっています。
成約数に関しても、令和2年度は年間で18件だったものが、令和3年度は8月時点までで既に14件の成約となっています。このペースだと、昨年度の成約数の倍近くになると試算しています。


– HP上でのアクセス数に変化はありましたか?


江田島市役所 畑河内さま:
空き家バンクのページは、月に7000〜8000件のアクセスがあります。ポータルサイトを作ってVRをアップする前は月6000件くらいで、VRを導入してから月に1000件くらいはアクセスが増えています。
個別の空き家のビュー数を合算すると、月間4万件程度のアクセスがあります。


– 移住強化対策を考えたときに「物件の内覧を強化することが重要である」と考えられて、VRを導入いただいたとお伺いしています。江田島市さまとしてはどんな課題感を持って、内覧強化=移住強化という対策に至ったのでしょうか?


江田島市役所 畑河内さま:
そもそもの課題としては、空き家を現地に見に来られた方が実際に物件を見て「イメージと違いました」と帰られること。そういう方がものすごく多かったんです。
わざわざ時間とお金かけて来てもらったのに、現物を見て「違った」となるのはお客様にも悪いし、受け入れ側にとっても半日くらいの対応コストがかかるわけです。結果ミスマッチで終わるのはお互いにとってメリットがないなと。


実際に空き家バンクに登録されている物件

それだったら現地に来なくても空き家が見られる状態を作って、まずは見ていただいて「これだ!」と思ったら来ていただく、というのが良いんじゃないかと思ったんです。
江田島市の近隣の市町からだったら、空き家の状態を見に来ることができますが、遠方の人でも気になる空き家があったら中が見られるというのが一番ですよね。
「この土地のこの空き家が良い」という目星をつけて、熟度が高まった状態で来てもらう方法がないか、というのが課題意識としてあったわけです。


– VRを導入してから、実際に来られるお客様の範囲が広がったり、登録されるお客様層が変わったりといった変化はありましたか?


江田島市役所 千葉さま:
登録される方は以前から広島県内の方が多く、そこまで大きな変化を感じないのですが、最近は割と東北など遠方から実際に移住してくださる方が増え始めましたね。
VRを導入する前は実績を取れていなかったので、過去の実績と明確に比較することはできないのですが、今年度は福島県や岐阜県からの成約者が出たという実績があります。


江田島市役所 畑河内さま:
以前は福島県からの問い合わせや移住を決断される方というのはまずなかったと思います。


– 実際に江田島市の空き家に移住される方は、どんな理由で移住される方が多いんですか?


フウド 為政さま:
やはり海が見えるところに住みたい、海の近くに住みたいという方がほとんどですね。それが前提条件のようになっています。年齢構成だと、現状は50代の方が一番多いです。


美しい海が魅力の江田島市

江田島市役所 千葉さま:
もうすぐリタイアする世代や、これから進学などのきっかけで「新しい生活をしたい」という方、昨年くらいからは20〜30代の若い方で仕事をリモートワークで持ってこられる方も増えてきていると感じます。働き方がコロナ禍によって変わって、移住を考えたという方もいるようです。


「イメージと違う」のミスマッチを少なくするVR


– 具体的な業務についてお聞きしたいのですが、撮影や編集は現在千葉さまおひとりで担当されているんですか?


江田島市役所 千葉さま:
昨年度は私1人でやっていたのですが、2021年4月から空き家活用ディレクターという形で、地域おこし協力隊の方がひとり入ってくださいました。
今は撮影に関しては物件調査の際に2人で行って、その方にVRを撮っていただいて、私は所有者さんにお話しを伺いながら物件情報確認と写真撮影をしています。VRの編集は主に全て私がやっています。


– スペースリーの使い心地はいかがですか?


江田島市役所 千葉さま:
私はITに疎いので、最初は使いこなせなかったり時間がかかったらどうしようと不安だったのですが、撮影からアップまで複雑な作業がなく、慣れたら編集までスムーズに出来るようになりましたね。ITに自信のない人でも使えるのはありがたいですね。
導入したての頃にスペースリーの担当である藤原さんに来ていただいて、コツを直接教えていただいたのが大きかったです。


– 緊急事態宣言中は内見休止という方針もあったと伺っているのですが、通常成約されたお客様は基本的にはVRで物件を見られて検討し、どのような段階を踏んで成約に至ることが多いのでしょうか?


フウド 為政さま:
都心のマンションと違って、空き家は立地や細かいところも見てもらわなければいけないので、現地に一度は来ていただくことが絶対必要だと思いますね。
ただ、成約した人は、大体VRを1回は見てきていると思います。最近はそれが前提になっています。
特に最近の物件はほとんどVRで見られるようにしていただいているので、お客様とお話しする中でも「VRを見ての印象とどう違いますか?」というトークに変わってきていますね。お客様からは「いい意味で変わらない」という意見が多いです。
現地に行ってみないとわからない立地面など以外は、VRは良い意味の「印象付け」の役割を果たしていると思っています。


– 「来てみたら思ってたのと違った」という空振りはなくなりましたか?


フウド 為政さま:
案内件数自体も昨年までと比べてそもそも上がっているので、単純比較はできませんが、肌感覚ではそういったミスマッチは確実に減ってきていますね。


「お部屋の広さはどのくらい?」 質問対応の業務時間をVRで削減


– 案内をされるときに、よくご質問される内容はありますか?


フウド 為政さま:
残置物がある物件に関しては「処理はどちら持ちですか?」という質問があります。自治体によっては残置物処理に補助を出すところがあるので、補助があるかどうかも含めて多くの質問をいただきますね。
あとは近くで駐車場が借りられるかどうか。下水道が来てない物件で、下水道を通せそうな場所かどうかも結構聞かれます。「物件のことはVRで十分わかっているから、海までどのくらいの距離なんだ?」と質問されたり。


空き家特有の事情で、室内に残置物があることも多い

江田島市役所 畑河内さま:
そういった細かい電話対応が減ったという意味では、VR導入で市職員の業務削減にも繋がっているかもしれません。以前は「部屋の広さってどれくらいなの?」と電話で聞かれても、どう説明して良いかと悩むこともありましたから。


江田島市役所 千葉さま:
電話では説明がすごく難しいし実際見てもらうのが一番ですが、写真だけだとかなりの枚数になってしまいますし、伝え方がすごく難しかったです。
なので、VRで見られるようになって、電話対応している側としては助かっています。


– 都内の賃貸仲介では、コンセントの位置やエアコンの型番など設備部分の質問が多いので、仲介事業者さんは特にそのあたりを入念に撮影されたりします。空き家案内ならではの「ここは絶対に聞かれるポイント」というところはありますか?


江田島市役所 千葉さま:
やはり周辺環境が一番聞かれますね。道路の幅や敷地の境界を聞かれることも多いです。「どこまでがこの空き家の敷地なんですか?」と。私たちも明確にピンや杭が打ってあればわかりますが、判断が難しい部分もあります。


– 家の外もVRでのご案内になるんですか?


江田島市役所 千葉さま:
申請されたお客様の物件は撮影しますが、周りの物件や道路はなるべくVRに写さないようにしています。市内の方が見たらすぐに特定できてしまうと思うので。


江田島市役所 畑河内さま:
プライバシーや家の中に家財道具が残っている場合のリスク管理などもあるため慎重ですね。


– VRで写しすぎるリスクもあるのですね。


江田島市役所 畑河内さま:
本当はVRで周辺環境も全て見てもらえればいいのですが、なかなか難しいですね。


全自治体がVR内覧を導入すれば、空き家対策が加速する!


– VRを導入しての感想や、今後の展望などをお聞かせください。


フウド 為政さま:
空き家というのは、マンションやアパートと違って100軒あったら100通りで色んな特徴があると思うんですよ。それを一つずつ口頭説明するのは難しいので、空き家の魅力をより簡単に気軽に、世界中の人に伝えられるのがVRだと思っています。
VRがあると、実際に内覧していただいた方の“納得感”が高まると思うんですよね。


実際の空き家物件

これは僕の個人的な考えですが、内覧してもらう以上は「その日一日を納得して帰ってもらいたい」と思っています。物件が良かろうが悪かろうが「なるほど」と納得してもらいたいなと。
そのためにはやはり事前情報が多ければ多いほど、照らし合わせてどうだったかという判断が出来ると思うんです。


トークの中で「VR見られました?」と聞くと、大体見たと言われます。「比べて実際の印象はどうです?」と聞くと大体は「いい意味で変わらない」とお答えいただきます。
写真だと「思ったよりもあんまり…」というのが結構あったんですね。VRだと現物との乖離はあまりない。そういう意味で、VRは「よりお客様に納得感を提供できている」と思っておりますね。


– 今はスマホでもすごく写真が綺麗に撮れるので、写真と現地に行ったときのギャップが出やすいんですよね。一眼レフで綺麗に撮りすぎてしまって、実際見たら「全然違う」ということも。パノラマやVRって補正が効かないというか、画質などをそこまでいじれないので、現物とのギャップが普通の写真より少ないと言われています。そういったところがパノラマやVRの良さなんです。


江田島市役所 畑河内さま:
僕は、全自治体がVRをやれば、移住希望者さんが家にいても全自治体の空き家を見て移住の検討、選択ができると思っているので、そういう世界ができればいいと本当に心から思っていますね。


あとは技術的に出来るかどうかは分からないですが、現地でしか感じられない部分までVR化できれば最高ですよね。海までの距離感とか、そういったことも現地に来なくてもVRでだいたい分かった上で、移住を希望できるようになったらいいなと思いますし、今の技術だったら、もしかしたら出来るかもと思います。


江田島市役所 千葉さま:
スペースリーは、僕みたいに今まで30年間ITに触れてこなかった人間でもわかりやすく簡単に使える便利なサービスなので、ぜひ他の自治体にもどんどん使っていただければ、空き家対策が活性化するのではないかと思っています。
しかしまだまだ最低限の機能しか使えてないので、もっと応用ができればいいですね。まずは全物件VR撮影して、そこから少しでも見やすくなるように様々な編集を試していけたらと思います。


– たくさんお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!



最後までお読みいただきましてありがとうございました。

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