株式会社 宅都は、大阪に本社を置くハウスコム系列の不動産仲介管理会社です。
社名の由来は、指揮者の振るうタクト(指揮棒)のように将来は業界を指揮できる存在になるという希望が込められているそうです。
以前は宅都グループの100%子会社として営業しており、その時期にスペースリーを導入(宅都ホールディングスの事例記事はこちら)。2020年12月にハウスコムが株式を取得し、100%子会社となりました。
今回は、株式会社 宅都のITシステム・サービスイノベーション部の課長・西山様にお話を伺いました。
目的 | 営業・成約率アップ |
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用途 | オンライン内覧、QRコード掲載 |
業種 | 不動産業 |
会社名 | 株式会社 宅都 |
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所在地 | 大阪府大阪市北区大深町1-1 LINKS UMEDA 8階 WeWork 宅都 |
事業内容 | ビル・マンションの総合管理事業 / リーシング業務 / 不動産コンサルティング / 保険代理店業 / リフォーム・リノベーション事業 |
URL | https://takuto.housecom.jp/ |
繁忙期前準備としてのVR撮影に注力!
ー 西山様は元々店長をされていて、現在は株式会社宅都のIT部門を統括されていると伺いました。
宅都 西山様:
主に賃貸全店のWEB関連を担当しています。
ー 前回の記事では、阪大近くの店舗でのVR活用についてお話を伺いました。現在は、各店舗でのVR活用率はどのくらいでしょうか?
宅都 西山様:
活用頻度が高く、しっかり使えている店舗は全体の3割くらいで、残りの7割はときおり使っているという現状ですね。
3割に当たる4~6店舗ではしっかり活用していて、営業面でも特に成果を出せています。
ー 2019年時は、繁忙期に阪大の学生に向けてVRゴーグルで案内をされたり、列に並んでいるときにQRを読み取ってもらったり、という取り組みをお伺いしたのですが、現在は新しい取り組みなどはされているのでしょうか?
宅都 西山様:
私がWEB施策を担当するようになってから、パノラマ画像の撮影方法を変えて、より細かく踏み込んだ使い方をするようにしています。
具体的には、
①室内だけではなく外観・共用部含めて撮影するように指導
②繁忙期前の空室期間中に撮影を強化
を実施いたしました。
結果、そういった対策が実を結んで、お部屋の決定までオンラインでご案内できるケースが増えています。 お客様の中にも「現地の物件を見ることにこだわりがない」という方も一定数いらっしゃいますし、空き予定物件で現物を見られない場面もあります。
どんなに好条件の物件でも「やっぱり物件写真だけではちょっと…」とためらわれるお客様はいらっしゃいますので、VRが安心材料になり、成約に繋がっています。
ー より踏み込んだ撮影をするようになったとのお話ですが、VR内覧だけで契約される方の人数を増やせるのではないか、という「読み」があったのでしょうか?
宅都 西山様:
結局「決められる営業マン」って、物件写真がなくてもトークで成約できるんです。でも、それができる営業はごく一部であり、写真だけではお客様を納得させられない営業マンのほうが多いです。
お客様側も「ここを見てない」「この幅が気になる」など、不確定要素が多いので、決めることができません。
そのため、お客様が不安を抱く要素を可能な限り減らすように徹底しました。
スペースリーのAI採寸のことも考えて、社内では「1m20cmの高さでVRを撮りましょう」というのも決めてあります。
エントランス前から前面道路までVRで見られて、向かいに何があるかまでわかって、バルコニーも眺望もVRで見られて、バルコニーの幅も測れる。そうなれば、お客様の不確定要素はなくなっていきますから。
繁忙期の契約のうち25%が非内見・VRのみ
– 具体的にはVRの使い方を変えてから、どのような効果が出ているのでしょうか?
宅都 西山様:
スペースリーを活用して効果を実感している店長がデータを取っていたのですが、その店舗(南森町店)では一番売上が伸びる3月の約25%が、VR内覧で契約に至りました。
アットホームのアンケートに「約25%の人がパノラマ画像で良い、実際の内覧はいらないと回答」とありましたが、アンケート通りの結果になったと思います。
– 西山様は店長も経験されていますが、営業としてもVRを活用すれば成約しやすいと思われますか?
宅都 西山様:
営業は、人それぞれのスタイルがあるので、一概には言えないです。
どんなお客様に対応してもトークで成約できるスーパー営業マンもいますし、ノリが良くお客様を楽しませるような営業マンもいます。
ただ、全員がそういうスーパー営業マンではないので「そうではない営業マン」のためにスペースリーの機能やVRコンテンツという強い武器があると思います。
ツールを正しく使うことで、新人でもスーパー営業でも、全員が同じように成約できる。 それはすごいことだと思っています。
– 平均成約率をいかに上げるか、というときにVRが有効だと。
宅都 西山様:
そうですね。VRコンテンツは営業にとって有効な武器だと私は考えています。
どんなに良い武器でも使えない、それを武器と認識しない人はいます。そう認識されてしまうと、使われなくなってしまいます。 本社側として「スペースリーは有効な武器ですよ」ということをしっかり伝えるのが、賃貸のWEB担当である私の仕事です。
顧客向け、オーナー向け、業者向けにVRを活用する「3つの強み」
– 先ほどお話しいただいた「繁忙期の契約のうち25%が非内見・VRのみ」の店舗について詳細をお伺いできますか?
宅都 西山様:
南森町店という店舗なのですが、店長が率先してVRコンテンツを取り入れてくれました。社内でVR活用が盛り上がったのは、彼がスペースリーの効果を実感してくれたことが大きいです。
VRコンテンツはお客様に対してだけでなく、オーナー様にも、そして仲介業者様にも強いです。
例えば、専任物件は「うちに預けてもらえれば入居がすぐに決まりますよ」とお伝えするとオーナーは喜ばれます。そのとき提案する材料として「写真だけじゃなくてVRも撮ってます」「こういう仕組みを使ってこのようにお客様に見てもらえます」「採寸までできますよ」とオーナーに話すようにしています。
あとは、QRコードを業者用の資料(レインズ)にも掲載して、業者様に成約してもらうようにしています。 仲介業者様も自社の専任物件ではないため、物件の詳細を知らないこともあるのですが、VRなら物件の内外まで把握できて、お客様にも見せることができるので、仲介業者様も成約しやすくなるのです。
仲介業者様の成約率も上げられる、オーナー様へ提案するときの説得力、お客様へ案内するときにも使える、というのがスペースリーの3つの利点ですね。
– 専任物件を請けたらなるべく早くVRを撮って優先的に契約を決めることが、店舗としての優先項目になっているということですね。
宅都 西山様:
そうですね。専任の重要性を理解している人はそこに注力します。非内見予約で25%を達成した店長は、スペースリーを導入してから専任物件の決まりがすごく早くなったと喜んでいます。
仲介業者様の資料にQRコードを掲載したら、仲介業者様もたくさん成約してくれるようになり効果を実感しているので、この施策を全店でできるようになれば効率が増々上がっていきます。
最近はレインズにQRコードを掲載している他事業者様も増えている印象です。
将来は学生マンションで家具ごと契約も? VR活用の展望
– スペースリーを活用して、今後はどのようなことに取り組む予定ですか?
宅都 西山様:
今後は、写真とパノラマ画像は管理会社が用意していくことになると思います。
大阪は市場がちょっと特殊で、他社と違う写真を掲載することにこだわる風潮が残っていますが、関東ではポータルサイトに掲載する写真が他社と同じになってきています。
スペースリーには管理会社がコンテンツを共有できる仕組み(共有チャンネル機能)がありますが、今後、確実にその流れは大きくなるだろうと思っています。
そのため、VRコンテンツは「自分たちが撮りに行く」ではなくなっていくと考えています。
他にも、家具を設置できる機能(AI空間設計)は、学生マンションにすごく有効だと思います。
学生マンションは同じ間取りが100〜200戸もあるので、ABCなどのパターンで家具配置を作り、家具もセットで販売できれば良いなと。
実際、現場でお客様に「どこで家電を買ったらいいですか?」と聞かれることも多いです。そういった提案まで店舗でできるようになり、「この家具セットならいくらで買えて、実際配置したらこのような感じです」とパノラマコンテンツ上で見せることができるようなるとさらに良くなると思います。
– 大変お忙しい中、お時間をいただきありがとうございました!
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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